介護施設・高齢者住宅の特徴
高齢者住宅種別ごとの違い
介護付有料老人ホーム
介護付有料老人ホームは、各都道府県から介護保険の特定施設入居者生活介護(特定施設)の指定を受けており、「介護付」と表記しています。介護サービスはケアプランに基づき、24時間体制で施設の職員が行います。介護保険利用料は介護度によって定められており、限度額を超えて追加料金が発生することはありません(ここが住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と異なります)。人員配置にも基準があり3人の入居者にと対し、1人以上の介護または看護職員を配置しないといけません。民間企業が運営するところがほとんどなので、競争が激しくそれぞれに特色がありますので、選ぶ時は内容をしっかりと把握しましょう。
特徴
- 24時間体制で介護サービスを受ける事ができる
- 施設職員が介護サービスを提供
- 介護・看護職員の配置は3:1以上 ※ホームによって手厚いところも
- 比較的高コストの施設が多い
- 医療ケアが充実し看取りまでできる施設が多い
- 認知症や重度の方でも対応可能なホームが多い
- 月額費用が安定している
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、有料老人ホームの6割を占めており、年々ホーム数も増加しています。基本的に住宅に、食事サービスと緊急時の対応などの日常生活の支援をつけた施設です。介護サービスは、外部事業者の職員が提供します(多くが敷地内に訪問介護ステーションを併設しています)。 民間事業者が運営しているところが多く、利用料は月額10万円以下の安価な設定がある一方、入居時費用が数千万円となる超高級なところまであり、同じ住宅型といえども幅広い分布になっています。慎重に内容把握することが必要です。
特徴
- 低コストのところから高コストまで幅広い
- 認知症対応、医療ケア体制はホームによって異なる
- 外部サービスの職員が介護サービスを提供
- 介護付と違い必要な介護サービスのみ利用可能。ただし、重介護の方は限度
- 額を超える場合もある
サービス付き高齢者向け住宅
サービス付き高齢者向け住宅は、安否確認と生活相談サービスがついた賃貸住宅です。「サ高住」、「サ付き」とも言われ、国からの補助金を受けられることから急増しています。介護サービスは、住宅型有料老人ホームと同様、外部事業者の職員が提供します(多くが敷地内に訪問介護ステーションを併設しています)。民間事業者が運営しているところが多く、サービス内容は住宅によって異なります。最近では、透析専門、リハビリ専門など、医療に特化したサ高住も登場しています。
特徴
- 比較的低コストのところが多い
- 高齢者が契約しやすい賃貸住宅である
- 入居金は無い(敷金などはある場合があります)
- 介護認定が無い方でもご利用可能
- 認知症対応、医療ケア体制はホームによって異なる
- 外部サービスの職員が介護サービスを提供
- 介護付と違い必要な介護サービスのみ利用可能。ただし、重介護の方は限度
- 額を超える場合もある
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
「特養」。要介護3から入居が可能ですが、実際は要介護5など介護度の重い緊急性の高い方からの入所となります。公的な施設で利用料も低コストであり待機者が多くいます。年単位での待機が必要な場合も。月額利用料は入居者の前年度の入居者の所得によって決まります。
介護老人保健施設
「老健」。基本的には病院等の退院後、自宅に戻るまでの療養、リハビリを兼ねて一時的に利用する中間施設です。あくまで最終目的は在宅復帰である為、3か月程度の利用期間限定が原則ですが、実際には長期間入居している方もいます。医師、看護師、理学療法士、作業療法士、栄養士、介護福祉士などの専門スタッフがリハビリを実施し、家庭での日常生活が円滑に送れるように援助します。
介護療養型医療施設
要介護認定を受けた方が対象。急性期の治療を終えたものの寝たきりなどで在宅復帰が難しい人が入院する施設です。病院なので痰の吸引、胃ろう、経鼻栄養など医療ケア体制は充実していますが、レクリエーションなどのサービスはほとんど提供されません。将来的には廃止の方向で、特養や老健などの施設に転換されると言われています。
軽費老人ホーム(ケアハウス)
軽費老人ホームは、低所得であり且つ家庭環境や住宅事情等の理由により自宅において生活することが難しい高齢者が、低コストで利用できる社会福祉施設です。運営補助資金が国や自治体から供給されます。軽費老人ホームは(A型・B型・ケアハウス)と3種類に分かれます。都道府県から特定施設入居者生活介護の指定を受け、特養並みの介護サービスを提供する施設もあります。
グループホーム
グループホームは、認知症の高齢者が1ユニット9人までの家庭的な環境の中で生活する施設です。掃除や洗濯など役割を持って過ごすことやレクリエーションを通して認知症の進行を和らげる事を目的としています。要支援2以上の軽度、かつ、ある程度自活できる認知症の方が対象です。医療ケア体制は、ないところがほとんです。
シニア向け分譲マンション
主に富裕層向けに分譲販売されているバリアフリー設計の高齢者マンションです。広い居室に豪華な共有スペース、コンシュルジュサービスもあり、また建物内にはレストラン、大浴場、スポーツジムがあるところも珍しくありません。自己所有のマンションなので、有料老人ホームと違い、売却や賃貸に出すことも可能です。在宅と同じなので、居宅介護サービスを受けることができます。